Fiction Factory

ゲーム実況風プレイ日記&考察中心 常にネタバレ注意
ネタ:夢
夢を見た。たぶん、それは夢だった。わからないくらい近い。今、目を覚まして
いる私は、窓越しに聞こえる鳥の鳴き声を足がかりにして、あの世界から抜けて
きた。

壁にかかる二つの針は、動いているのかいないのかわからないほどに小さく小さ
く時を刻む。その静寂さは、いまだに夢の中なのではないかとも思わされる。薄
い陽の光が完全に私を照らし出す前に、私は再び白い海へと潜った。

「もう起きたら?」

頭上から聞こえる声が、夢の中のものなのかどうか区別できない。私は、呼びか
けに対して何やら適当に相槌をうつだけにとどめた。心地よくひんやりしたもの
が前髪を払いのける。

「気持ち良さそうに寝てると、どうなっても知らないよ?」

気配が遠のくのを感じて、むずむずする。待って、と声をかけた。同時に、体を
沈ませていた白い波から浮上する。寝起きではっきりしない視界が開けてくると、
そこには何もなかった。

からっぽだ。

けれど、壁側の手に冷たい感触がある。明らかに私が寝ていた場所ではない。振
り返るのを、なぜ止めなかったか。それはもはやわからない。気が付いたら、私
は見てしまっていた。

少し前にはあったはずの白い光は、すでに沈んでしまって見る影もない。

冷たいものが何なのか、はっきりとは見えない。両手で持ち上げてみたら、重く
て、柔らかかった。私は重くて柔らかいそれを抱える。怖くて、腕が震えた。ど
うしてなのか、これがなんなのか、そんなことを考えるまでもない。それを触る
こと、ただそれだけで、恐れが私を支配する。

窓越しに聞こえる鳥の鳴き声は、禍々しく夜に響く。この動かない何かを必死に
抱えて部屋を出た。その不快な音から逃げるため、この恐怖の対象から逃げるた
め。ひたすら走る。

そして

足元が何にも触れていないことに気付いた。

ごめんなさい
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