Fiction Factory

ゲーム実況風プレイ日記&考察中心 常にネタバレ注意
10分で紡ぐ物語
 道をふさぐ小さな石。靴の先に当たる感触が、どこか遠くへいざなうように。
あの頃の記憶が見えてくる。忘れてきた思い出、思い出したくない夢。どれが
求めているものなのか、今はまだわからない。

 どこへいくの。聞こえた声は、後ろから。振り向いたけど、誰もいない。も
う一度、小石をつつく。つま先に固さが広がっていく。どこへいくの。思い出
せない、誰だろう。

 聞き覚えはあるのに。どんなにあたりを見回しても、たどりつけないもどか
しい。こっちだよ。懐かしさに浮かぶその顔は、白くてもやがかかってる。手
が伸びる。届かない。

 小石を忘れて走り出す。それでも絶対追いつけない。

 赤く染まった手のひらに、落ちる雫は透明で。冷たい体は動かない。足元に
あるその石は、大きく重くて柔らかい。突き立つ鋼は反射して、ただただ石を
濡らしてく。

 逃げ出したあの日を忘れない。失くした石はもう見えない。
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