Fiction Factory

ゲーム実況風プレイ日記&考察中心 常にネタバレ注意
T3B:補完の夢見2
2010年12月25日。8:00
 「とんだクリスマスプレゼントね」特別捜査班の医務室を訪れていたガブリエルが、
ベッドのそばにあったスツールに座っている。白いシーツの上に横たわっているのは
昨日、記憶喪失状態で発見されたアヤだ。

 「そうですね」アヤの視線の先には、白い天井しかない。口から洩れる溜息。「と
にかく外傷は塞がないとね。それが終わったら、また教え直してあげる。いろいろと、
ね」ガブリエルの視線はアヤを捉えて逃がさない。憂いの色にやさしさを織り交ぜて。

 「ごめんなさい」虚ろな視線を向けるアヤに、ガブリエルは答えに詰まる。代わり
に肩に手をかけて「アヤ……大丈夫、きっと……」そして首を左右に小さく振って「
私こそ、ごめん。今は何もできない」立ちあがって出て行こうとした。

 そして腰のあたりに力を感じて振り向く。体を起こしたアヤがガブリエルのスカー
トの裾を引いていた。「ガブリエル、私……怖いんです。これからどうなるんでしょ
うか」外傷による発熱と、前日からのショックなのかアヤの瞳は湿り気を帯びている。

 「ねえ、アヤ?とりあえず、その他人行儀な口調を直すところから始めてみない?」
苦笑いを浮かべつつも、アヤがベッドから降りるのを手伝う。「そうします」アヤの
口調は暗い。「ほら、また戻ってる」一瞬の間が二人の間を走り抜ける。

 白い空間の中で、小さな笑いが起きた。「そう、そうしていればいいの。急がなく
てもいいじゃない、ね?」ガブリエルがそっとアヤを抱きしめてやる。自分より少し
背の低い温もりが、彼女の中で安堵の息をついた。
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