Fiction Factory

ゲーム実況風プレイ日記&考察中心 常にネタバレ注意
どこかへ
気晴らし作文。やる気がしない言い訳。




 森の中にいると、なんだか落ち着かない。そんなことをふと考えるのは、私が
忙しいからだろうか。だとしたらいつから?とにかく私は、乾いた土と石ころが
転々とするその道を、ゆるゆると進んでいた。あの子の誘いで何の気もなくつい
てきた私。たまたま休みで、彼女の提案も偶然だった。今思えば、どうして何も
聞かずについてきたのか、私にもよくわからない。

 「どうしてここなの?他にもあるじゃない」行き先も言わないまま、彼女は私
を連れてきた。「ここがいいの。あんた一人じゃ、こんなとこ来ないでしょ」そ
の通りだ。ここは静かすぎて、騒がしい職場とはかけ離れている。うるさいと言
っても鳴ってる音は車に飛行機、そしてパソコンが動いている音が流れているく
らいだが。それでも、いつもある音がないことは……不安だ。

 「怖いの?」前を歩いていた彼女が立ち止まる。振り向いて、面白そうに私の
顔を覗き込む。なんていい顔するの、あんたは。「別に」溜息を吐いてみせた。
私なりの強がり。彼女は見抜いていただろうか。「なーんだ」そうしてさっさと
私の前へ前へ彼女は進む。緑の中に伸びる道の上で、彼女の白いブラウスが
まぶしく光った気がした。

 「ね、また来ない?」不意に頭上から声がかかる。その声は、今この場所で聞
くことができる、唯一とも言えるほどいつもの音。「いやだよ」それも本心だ。
「えぇ?なんだって?」聞こえないふりで聞き返してくる。「私の答え、聞く気
あるの?」反抗して、軽く睨み据えてみる。適う相手ではないけれど。「もちろ
ん――」腰に手を当て、仁王立ち。「ないに決まってるじゃない」彼女の返事は、
私の予想通りだった。

 そして、二言目には「つぎ、どこへ行こうか?」彼女はまた、私を連れて行こ
うとする。そして、ぎゅっと私の片腕をさらった。「聞く気ないんでしょ?」引
かれながら、答えた。「ないよ!」だんだんと早足になって、少し足がもつれる。

 ここに、また来よう。どこへでも行こう。この脚で、ふたりで。
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