Fiction Factory

ゲーム実況風プレイ日記&考察中心 常にネタバレ注意
リフト
私たちは夏休みを利用して屋内プールへと出かけていた。それが間違いの始まりに
なるなんて、一体誰が想像しただろう?私たちのだれ一人、ここから帰ることはで
きないのだろうか。

 屋内プール、と言っても小さな円いプールが一つだけしかない。涼やかな山村に佇
むガラス張りのプールの手前側で、私と母、妹はプールを覗いた。更衣室がプール
とガラス一枚しか隔てていないことに何も疑問を挟まない。高さがついているわけ
でもないのに。

 プールにいたのはワンピースタイプの黒い水着を着た女性一人だけ。流れる黒い
髪を静かにたゆたわせながら、その白い身体を水に沈めている。遠くて顔は見えな
かった。それから、プールへ入る準備をしていると身体の異変に気がつく。何やら
緑色の植物が私の脚から生えている。

 母たちは気づいてはいない。先端は丸く、細い茎が下にくっついて、その状態で
脚中にこびりついていた。気持ち悪くて、手で触る。やけにやわらかいゴムを連想
させる。

 「何これ、気持ち悪い」掴んで引っ張ると、簡単に抜けた。母たちはようやく気
付いて、妹はここのプールに入るのは嫌だと言いだした。しかたなく、一度更衣室
を出たところ、受付にある立て看板が目につく。

 【緑色の生物、予防薬あります】気味が悪いことに、黄ばんだべニア板に緑色の
蛍光インクでそう書かれている。インクはところどころ垂れていて汚らしい。そこ
で私たちはここのプールに入ることを辞めた。父はまだ戻ってきていないが、携帯
に連絡を入れたから時期に戻ってくるだろう。

 私たちが受け付けを出ると、長く生い茂った緑の草が出迎えていた。もちろん、
行きも見ていたはずだ。だが、妙な違和感がその時の私には纏わりついていること
など誰ひとり気がついてはいなかった。



 しばらくはプール施設の入り口そばにある円盤状に切り取られた木に腰掛けてい
た私たち。施設の前にはまだ土が丸見えの道路、外側にはうっそうと茂る草、さら
にその周りを小川が流れている。喉が渇いてくるまで待っていたが、一向に父が戻
ってくる様子がない。

 というわけで私たちは父の様子を見るためにその場を離れかけた。違和感に最初
に気づいたのは、またしても私だ。むしり取ったはずの緑のなにかが、再び私たち
の身体にこびりついていたのだ。

 さらに悪いことに、施設はそっくりなくなっていた。それなのに母も妹も驚きも
せず父の帰りが遅いとこぼすだけだ。かくいう私もなぜ私がここにいるのか、ぼや
けて思い出せなくなっている。

 ぼんやりと施設があったはずの場所を見ていると、知らない人の声が聞こえた。
12歳くらいの男の子と、私たちと同じくらいの青年、そしてその母親だ。彼らはど
こか異国風の雰囲気をもっていた。男の子の方は薄い金髪で、青年はダークブラウ
ン。母親は青年とよく似ている。

 私たちに気づいたはずなのに、彼らは見えていないかのように川の下流へと歩い
て行く。興味が湧いて、私は彼らについて行った。それを止めようと母と妹もつい
てきた。

 川は下流にいくにつれて茶色く濁り、水量を増していった。舗装されていなかっ
た道路からアスファルトの敷かれた道路に移ろう。もはや薄黄色の電灯の明かりを
頼りに私たちは歩いている。

 気がついたときには、もう山中なんかではなく岩に穴を開けただけのトンネルの
中に立っていた。トンネルの端まで来た時、巨大な鉄の塊を見つけて少し驚いた。
それは作業用のリフトの支柱だった。

 支柱の足元に、一人の中年男性が立っている。「アトラクション、やっていかな
いかい?」体躯のいい男性は、私たちに声をかけた。「ええ、お願いします」答え
たのは、私たちがついて行っていた異国風の夫人だった。

 「了解!」大声で支柱のレバーを力強く引く。支柱から巨大なクレーンが生え、
そしてそれは私たちの頭とさほど変わらない高さでぐるりと横切った。ほんの一瞬
前、私たちはクレーンに引き倒される場所にいたというのに。正確には、クレーン
がこちらに来ると理解した私たちはしゃがんで事なきを得た。心臓が止まる思いで
見ていたが、異国風一家は気に留めることもない。

 そうして、ゲームは始まった。




 母は恐怖であとずさり、妹と私はその場で固まっていた。後ろから猿の鳴き声が
する。鳴き声に気づいた私たちは、後方へ目を向けた。道の両端を流れていた川が、
後ろで交わって池になっている。池の中には切り出されたと思われる四角い石の柱
が何本も立っていた。

 猿は、ためらいなく私たちに襲いかかった。少年と青年も含めて。すばしっこい
猿に、私たちはなすすべもなく池へ飛び込んだ。猿はそれでもなお、私たちを追い
掛ける。鋭い犬歯を剥き出しにして、猿は奇声を上げながら母を狙った。

 母は必死で猿の頭を殴った。気絶したところで石柱につかまる。見ていた私は母
の元へ泳いで行ったが、途中で猿は目を覚ましてしまった。二人で猿を撃退したの
ち、池からなんとか這い上がる。

 すると、再びあのクレーンが軋み音を上げて横殴りに襲いかかる。クレーンの付
け根には、妹と少年、そして青年とその母、さらにあの中年男性が立っていた。
「ゲームに参加するか?でなければ帰れないぞ」確かにそいつはそう言った。

 柱にたどり着くと、そこにはさまざまな型のリフトが上に登っていた。上は洞窟
の出口のはずだ。なのに私たちはここにくるまで一度もリフトを見ていない。そし
て今更ながら、少年が脚にギプスを巻いていることに気づいた。

 強制ゲームだ。男は1つのリフトに2人までと制約をつけただけでそれ以外は自由
だと説明した。「じゃあ、お母さん妹と乗って。私は一人で大丈夫だから。携帯も
あるし」母たちは渋ったが、最終的には二人で乗った。私は、青年と少年が二人で
リフトに乗ると思っていた。

 しかし、少年の方が私についてきてしまった。「一緒に行きます」少年は怪我し
た脚で無理やりにでもついてこようとした。彼の母親は、私たちの後ろで怪しげな
笑みを浮かべて立っているだけだ。それだけでも恐怖がこみあげてくる。

 私たちがのったのは、革ベルトで吊り下げられただけのリフトで目の前には何も
捕まるところはなかった。激しく揺れるリフトに、私たちは必至で革ベルトにしが
みつく。ときおり、上や下に金属の骨組みが配置されており、自力で避けるしかな
かった。

 避けると言っても、ほとんど勘だ。なぜなら、リフトは周りの景色がほとんど目
視できないスピードで洞窟を上っていたのだから。そうして暫くすると、リフトの
レールがなくなっているのに気づく。焦って無理矢理飛び降りた先は、やはり薄暗
く土埃の舞う洞窟の中だった。

 下りた先には階段があった。階段を上って、ドアノブをひねる。ドアの向こうは
雲の柄がプリントされた壁紙に白い家具が置かれた部屋だった。「さあ、無事に帰
りたいでしょう?私を信用して、口づけをしてくださいな」声のする方を向くと、
大きな人形がそこには立っている。

 金の冠を載せ、栗色の髪を肩まで垂らした少女の人形に、ピンクのドレスを着せ
たものだ。「信用できるって証拠は?」睨みつけて聞いてはみたものの、内心はそ
の違和感に胸が押しつぶされそうになっているのがわかる。「あなたには聞いてな
いわ」人形は私の話に耳も貸さない。

 「わかった。よし、おまえが決めろ」私は少年の背中を押して促す。少年は唾を
飲んで手近にあった鏡を手に取り、人形に近づく。鏡に、人形を映した。だが、人
形は鏡に映らず、少年の幼い顔だけを映し出している。「違う!あなたは偽物だ!」
少年は声を荒げて鏡を落とした。破片が地面に飛び散る。

 「逃げろ!」私は少年の手首を乱暴に掴んで部屋の外へ走り出した。来た道には
すでにたくさんの何かが動いていて戻れそうにない。何かないか、何かないか。と、
天井からぶら下がるロープが私の目の前で揺れた。

 火事場の馬鹿力というあたりで片づけたいのだが、私は少年を掴んだままロープ
を掴むと勢いよくロープは前後に振れだした。足元は崩れた床だ。対岸でロープを
離すと、大人二人が通れる程度の幅が狭い階段が続いている。

 その階段の中央に、絡まった白いロープが延々と延びている。私は少年を先に行
かせた。「悪いけどロープほどいて行ってくれるとありがたい」背後から嫌な音を
立てて何かが追ってくる。少年は言われたとおりにロープをほどきながら階段を上
り、私は彼がほどいたロープを手繰って階段を上る。

 そうして上りきると、私の手には綺麗でしっかりしたロープが握られていた。武
器代わりになれば、とロープを手に持って階段を後にする。階段を出て扉を抜けた
瞬間に下から女性の断末魔が聞こえた。

 「ママー!」そうだ。少年の母は青年と一緒に後からきているはず。だとしたら
逃げ場を失った彼らを、私たちが見殺しにしてしまった?ぞっとしたが、今は生き
ているので精一杯だ。無言で少年の手首を引いて無理矢理歩きだした。

 「ねえ、あれ……」奇妙な部屋から出てしばらくすると、薔薇のアーチがかかっ
た通路から人が出てきた。少年は出てきた人を見つけたのだ。顔は見えないが男性
なのは分かる。

 「パパ!」走り出した少年を、私は止めることができなかった。違うのではない
か心配していたのに。確信がなかったばかりに、私は少年を止めなかったのだ。そ
して、私も母と妹を見つけた。

 それから、記憶がない。





いやー久しぶりの夢日記です。結構怖めの夢だね。相変わらず夢だからよくわからないw
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