Fiction Factory

ゲーム実況風プレイ日記&考察中心 常にネタバレ注意
時の残滓 構想中まとめ短編
要するにダイジェスト版「時の残滓」(仮)です。
推敲?の練習も兼ねて。大体11話くらいまでの話をまとめてみた。






その日、私は夢を見た。懐かしく、そして恐ろしさを感じさせる少女の夢を。
あれが私のすべてを壊し、すべてを変えてしまった。悪夢から目覚めた私は
隣で寝ていたはずのエニアを探したが今朝は見当たらない。どうやらいつも
の日課に出かけたようだ。

夢を見た日、私は軍への入隊から5年目になり昇進を言い渡された。どういう
経緯で軍に入ったか、もう覚えていないが、少なくとも真面目には仕事をし
てきた自信がある。認められた私に、軍からコードネームを貰った。それま
で識別番号であるNo.1435が、ようやく呼ばれなくなったのだ。

「がんばったね、よし、アイリスでどう?」昇進の呼び出しついでの会議から
帰り際、朝の日課から戻ってきたルームメイト、エニアに会った。彼女も私も
私の本名を知らない。エニアは何度も私に呼び名をつけようとしたが、私はい
つもそれをはねつけた。どうにも気恥ずかしいうえに、エニアに気に入られて
いることで男女ともに嫉妬を買っていたからだ。これ以上余計な懸案事項は増
やしたくない。

「そんなんじゃない」今日もいつものようにその提案を拒否した。だがエニア
はいつもどおりには引かずにぶつぶつ文句を言いながら後ろにぴったりついて
くる。「……呼びたいならそうして」昇進もしたし、場所さえわきまえるなら
そうされたって構わない。半ば投げやりに、しかし期待しながら私はエニアに
負けた。その答えを聞いて、エニアは心なしか歩幅を緩めて私の後に続いた。

「これで最後だね」沈んだ声が後ろから振ってくる。今回の昇進を持って私は
エニアと別室になる。その件のことだろう。私は少し心が軽くなった気がした。
その日の夜は、何事もなく眠れた最後の日でもあった。

翌朝、私は命令通り新人の研修につきあって実戦の小隊長を任された。一通り
仕事が済んで帰ろうとした矢先、それは起こった。隊員の一人が私に刃を向け
たのだ。こちらが必死になっていくうちに次々と狂った隊員たちが増えていく。
気がつけば、私の周りには倒れた新人たちがごみ山のように積み上げられている。

「何をしている!」頭上から飛んできた怒声は、私を凍りつかせるには十分だ
った。私は目の前の惨事が自分のせいであることを、認めざるを得ない。誰も
証人がいないからだ。それでもかすかにエニアへの期待だけは残していたよう
に思う。ただし、それ以上に自分がしでかしたことへの恐怖が私を震え上がら
せ、絶望へと陥れるのだった。

冷たい手錠が耳障りな音を立ててしっかりと私を掴む。拘置室で一旦手錠が外
され囚人服として白いワンピースを渡された。大人しくそれを着てベッドに横
たわる。拘置室は寮と同じ白い壁だが、鉄格子が窓枠と扉の両方にはまり、寮
以上に空虚さを煽る間取りになっていた。恐怖と絶望に震えながら、私は拘置
室で夢を見る。

頭痛を伴うノイズ、あの少女、そして鉄の匂いに冷たいモノクロの世界が私を
混乱させていく。大声で叫んだような記憶があるが、悪夢から目覚めても誰一
人起きて見に来たりはしなかったのは幸いだった。

夢のせいで、かすかな期待さえ打ち砕かれたような気分だ。そして部屋に男が
一人入ってくる。「時間だ。出廷のな」無理矢理男に腕を引かれ部屋を出た。
そしてエニアからの手紙を渡された。地下へ来いとのことだ。一体こいつは
エニアの何なんだ。

地下へ行くと、何やら石造りの古い建物に真新しい金属製の扉がしつらえてあ
る。キーコードがどうとか書かれていたが最初の扉は私が触れた途端に開いた。
どういう仕組みかは不明だ。扉の中は真っ暗で、奥にらせん階段があり、地下
深くまで続いていた。

地下の部屋へ続く扉の前に行くと、男の声がしたので開けずに待った。「あい
つが本当にウチのアイリス様の血縁者だって証拠もないし、上の奴らは俺らの
話なんて聞かないだろうしよ」アイリス様だって?エニアが勝手につけた名前
を何故知っているんだ。それに血縁者なんて聞いたことがない。

しかしそれ以上には特に何もなく、男たちは雑談だけして持ち場へ帰って行っ
た。私は好奇心から逃れられず、足音が十分に遠ざかったのを確認して扉に触
れる。このまま先に行って、万一つかまったり迷路になっていたらエニアと合
流できないだろうと心の隅では考えながら。

扉の向こう側の部屋を伝っていると自分のナンバーが割り振られた部屋を見つ
けたが空っぽだった。そして奥の部屋から何やらうめき声が聞こえたので近づ
いてみる。錆びたプレートにナンバー0と書かれていた。暗がりの中、男に暴
行を加えられる女性とそれを庇う女性がいるのがわかる。

必死に庇う女性に対し、ようやく男が引いて出ていく様子になったのでこっそ
り部屋の影に隠れた。暴行を加えられていた女性は、少し幼い口調で庇ってい
た女性に話しかける。庇っていた女性の方は涙声でそれに答えていた。

幼い口調の女性はベルメールで、もう一人はトリアだということを会話から聞
き取る。普段、こういう仕事はエニアが担当だが私だって興味がないわけでは
ない。だが、そろそろ長居をしすぎたと思って地下のフロアの入り口前にあっ
た扉へと急いだ。

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