Fiction Factory

ゲーム実況風プレイ日記&考察中心 常にネタバレ注意
時の残滓 第13話

※本来はここから数話分まだストックがあったのですがあまりに酷いため
今回から思いつきで進めていきます。ラストだけは変えませんが。
あ、若干キャラクターが何かの影響を受けますが気にしないでくださいw
いつものことです





 暗い。とても静かな闇の海に、私は沈んでいった。五感はすべて感覚を失い、
深淵に臨む先は三途の川の向こう側かもしれないようにも感じた。でも、それ
は一瞬。まただ。疑いようもない。あのノイズ。そして頭痛。


「おいで……わたしのお姫様」


聞き覚えのある、あの声が。私の鼓膜を震わせて。小鳥のようにやさしく冷た
いあの声が、私を私でないものにしてくれる。寒くもないのに、私は体を抱い
て待つ。少女が紡ぐ、恐怖の声を私の体は欲している。


「そう、いい子。そうして眠れば、怖いものなんて何もない」


冷たい指が、私の顎を撫で上げる。私が動けないのは寒いから?それともこれ
はあなたの力?


「知らなくていい。わたしのお姫様は、わたしだけのもの。誰にも渡したりは
しない。永遠のお姫様、わたしのものになりなさい」


少女が触れるたびに、頭痛の痛みが治まっていく。私があなたのもの?何を言
っているの。そう尋ねたら、少女はただただ黙って私に触れた。やはり冷たく、
まるで柔らかい氷にでもまとわりつかれているようだ。そして、気がつけばそ
の感触もだんだんと遠くへと離れていく。


「どうしても嫌だと言うのなら、わたしはあなたを自由にはさせない」


哀しそうな声に何か含みがあったとしても、私にはわからないことだった。私
はまだ、何も答えていないのに少女は勝手に答えを断じた。少女について、私
は何も知らなかった。知っていたとしても、何もできない。心はどこかへ置き
去りにされ、私の意識はとうに暗闇に沈められていたのだから。

私は、夢の中で夢を見た。

ノイズは消えて未だに暗闇の中だったが、確かな感覚がそこにはあった。夢の
中の夢は、きっと現実だ。早く、目が覚めてくれと祈ろう。少女が何を求めて
いるのか理解はできないけれど。

けれど、夢から覚めた先は、果たして本当に現実なのだろうか。これから見る
夢は、誰の夢なのだろう?私は生き延びる。それだけはわかった。体に感覚が
戻るにつれて、私は自分の動悸を感じた。

早く、そして強い、その脈動が私の全身を駆け巡る。


「あなたは、もうわたしから逃げることはできない」


ああ、どうしてまだ、少女の声が聞こえてくるのだろう?
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