Fiction Factory

ゲーム実況風プレイ日記&考察中心 常にネタバレ注意
時の残滓 第10話
開かれた扉の向こうは、暗かった。それこそ、私が今まで立っていた場所とさ
ほど変わった様子がない。どちらかといえば、もっと暗い気がする。

人の気配はない。極力明かりを広げないように、ライトをつける。壁ギリギリ
にライトを近づけてみると、真っ黒でツルツルとした石のようなものでできて
いるのがわかる。

試しに床も照らしてみる。やはり同じ材質のものでできているようだ。古い施
設だとばかり思っていたが、そうではないのか。

前方には、再び扉。こちらは鍵もかかっている様子はなく、軽くノブを回すだ
けで簡単に開く。かなり薄暗いものの明かりもついていた。

奥の方は見えない。長く、幅の広い廊下が続いている。


「一体ここは……なんだ?」


見渡す限り、一面の黒い空間。閉塞感がここにいる者たちに与える影響は推し
て知るべし。長方形に張り巡らされた廊下に数え切れない扉。ここは本当に地
下なのだろうか。


「……はぁ……はぁ……」


数分も歩いていないはずなのに、息が上がっていた。扉の横にあるプレートに
は収容者たちの名前が連ねられている。いや、正確には数字だけが刻まれてい
た。


「1562……1561……な、何人いるん、だ?」


通路の途中途中にある電光版には、暗号化されているのか読めない文字がいく
つも浮かび上がっている。次第に薄れていく視界と意識の中、私は何かに惹か
れるようにこの廊下を歩き続けていた。


「1……4、35……?」


しばらくして見つけたのは、見覚えのある番号。もう、二度と呼ばれるはずの
ない番号。そして、何よりも嫌な数字。過去の自分。嫌いな自分。


「なんで、こんな場所に……」


私の番号がここにある理由。考えるほど、嫌になった。見覚えがあるような気
もした。でも、思い出したくなかったんだ。いつもそう。私は逃げてばかり。
私はここを――


「……覚えて、いる?」


自信があるわけじゃない。ただ、そんな気がしただけ。それに、たとえここを
知っていたとして、なぜ知っているのか説明がつかない。

わからない。


「知らないのは、私だけか?誰が知って……?エニア、何を知っている……?」


自分の番号が書かれた扉に手を触れ、そのまま額を預けてみる。もちろん、空
っぽの部屋から返事が返ってくるわけでもなく。その場に座り込んで膝を抱え
て目をつむる。そうしていたら落ち着いてくるような気がしたから。

しばらく、こうしていたい。そんなとき。


「このクソアマ、何考えてやがんだっ」


廊下の奥から男の怒声が聞こえた。何かが転げ落ちたような音も。金属と石が
ぶつかり合う音。音は、私のいる廊下の奥の方の部屋から聞こえているらしい。
私は、音の鳴った場所へと足を進めることにした。

私が足を止めた場所。そこには。

ナンバー……0

サビだらけのナンバープレートに刻まれていた管理番号はNo.0だった。音の発
生源はどうやらここらしい。扉の鉄格子から、私は中の様子を窺った。




動画の更新は今日はないです。代わりにってことで。まー、何人がこのSS
読んでるのか知らないけど。全くのオリジナルじゃないしかといって二次
創作とも言い難いこの状況は一体何だろう。

ちなみに今回の内容ですが、ようやく物語の始まりってとこですかね。

今までのは全部プロローグというかオープニングって感じでした。

登場人物もぽつぽつ増えてくるとこかな?
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